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ゴルフ会員権の預託金を返還して欲しい

ゴルフ場会員権、すなわち、預託金会員制ゴルフクラブの会員としての地位ないし資格は、①ゴルフ場施設の優先利用権、②据置期間後、退会時に返還を受けられる預託金返還請求権、③会員としての会費等納入義務等を主な内容としていると考えられています(最高裁昭和50年7月25日判決)。

 

預託金とは、ゴルフ場会員権のうち、②記載の退会時に返還することを約束して、入会時に預けた金銭のことをいいます。
ゴルフ場によっては、預託金のことを、保証金、入会金、預かり金など様々な名称の場合がありますが、返還を予定している金銭については、預託金と同様の性質を有しており、返還請求することができます。

 

預託金はゴルフ場に預けた金銭ですので、入会時に約束した期限を経過すれば、預託金の返還を請求することができます。
しかし、理事会で延長決議をした、会則(天変地異、その他、が発生した場合には、ゴルフクラブ理事会の決議により預託金の据置期間を延長することができる等)に該当し、据え置き期間の延長が出来るなどという理由で、返還を拒まれることがあります。
また、端的に、経営が悪化しており、一部の返還しか応じられない、長期分割しか応じられない、抽選で当たった一部の権利者にのみ返還する(実際に抽選が行われているか不明)などと支払いを拒むことが多いです。
この背景には、ゴルフ場の経営悪化ということがあります。

 

このように支払いを拒否された場合には、①自分で交渉をするか、②弁護士に依頼するか、③諦めるかのいずれかの方法をとることになります。
弁護士に依頼をすれば、ゴルフ場の主張する理由が通らないと戦え、訴訟を背景に返還交渉をすることができます。
確かに、ゴルフ場は訴訟になってしまえば、預託金を全額支払わなければならない状況ですが、一方、ゴルフ場側からしましても、高額かつ大量の会員から返還請求を求められる状況ですので、限りある資金から、返還に応じなくてはならない事情があるため、すべての会員に対して、全額の返還をすることが難しいという現実があります。
そこで、弁護士に依頼して、訴訟を背景に交渉したり、実際に訴訟をし、返還を優先的に受けるというメリットがあるのです。
もちろん、ゴルフ場の経営主体が破産してしまえば一円もとれなくなることもあるので、弁護士と相談のうえ、ある程度の金額で和解すべきかの判断も必要です。
ゴルフ場の預託金返還請求については、諦めるかどうかも含めて弁護士に相談するのが良いでしょう。