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離婚したがらない夫

以前出演した笑っていいともで、タモリさんが、「DVする男って離婚したがらないんだよね」とつぶやいていました。
その発言は、番組ではそれ以上取り沙汰はされなかったのですが、タモリさんは、離婚の事例をたくさん見たわけではないと思うのですが、核心をついた発言で大変感心しました。私たちは、離婚弁護士として、たくさんの離婚の事例を見ていくうちに、積み重ねたデータから、一定の法則を見つけることはできますが、やはり、タモリさんのように人間観察をよくする人は、人間という生き物の本質を見抜くのですね。

 

当事務所でも程度は様々でありますが、DVの離婚事件を取り扱っております。
事例をみておりますと、男性が女性に対して暴力を振るうときというのは、女性を叩いてすっきりしたい、相手を嫌っていて懲らしめたいという心理状態ではなく、女性への支配欲であったり、精神的に抑圧しようという精神状態からなされることが多いように感じます。

 

上記の身体的な暴力だけではなく、最近は、精神的な暴力(モラルハラスメントと呼ばれる)を行う男性も増えています(但しモラルハラスメントは女性が行うことも多いです)。

 

妻や子供に対して、身体的、精神的暴力を行う夫の共通点は「執着心が異常に強い」ということです。
妻側からの相談をすると、みな、「とにかく、しつこい。」、「嫌がってもやめてくれない」、「自分の納得するまで文句を言い続ける」、といった意見が出てきます。また、いわゆるマザコンの男性も散見され、夫婦げんかをするとすぐに母親に電話をして、自分が悪くないことを確認したり、妻が悪いと母親から言わせる、などというエピソードがよく出てきます。このような男性の場合は、母親に甘えて叩くという子供の行為がそのまま大人になっても妻に対して行われるという精神状態からなされるのでは無いかと感じます。

 

以上のような特徴をもつ夫は、離婚をしたがらず、離婚調停でも、離婚裁判でも離婚を拒みます。 離婚を争う側の主張として主なものは以下の3つです。

  1. 夫婦関係は破綻してない、まだやり直せる、円満だ
  2. 夫婦関係は破綻はしてるけど、悪いのは自分でないから慰謝料は払わない
  3. 夫婦関係は破綻はしてるけど、相手が悪いから離婚請求には応じない

 

DV夫に関しては、軒並み1、の主張をしてきます。通常1の主張はレアケースです。なぜなら、妻が別居し、弁護士まで立てて離婚したいと裁判までしてくる時は、客観的に夫婦関係が悪化していることは明らかで、その現状を考えれば、少なくとも客観的には夫婦関係は円満なはずは無いのです。

 

しかし、DV夫は、妻の申し出で離婚することは絶対に許せない、訴訟で言われている離婚理由が納得ができないというところに執着してしまい、客観的な判断ができない。夫側についた弁護士や裁判官からも、やり直しは難しいこと、離婚は認められてしまうと説得を受けても、やはり納得できない。子供たちも同居中の父親からの暴力や意地悪のせいで、まったくなついていないのに、面接交渉の調停をしてくる。家庭裁判所の調査官が子供たちに意見を聞いても、できれば会いたくない、叩くからいやだ、同居中も遊んでもらったことがないと言っ ているのに、「それは妻が言わせている」「子供は自分になついている」「子供たちと遊んでいていい父親だ」と認めようとしない。

 

一方で、DV夫は、婚姻費用を払いたがらないという特徴を有しています。妻とやり直したい、円満だ、子供たちもなついているから子供と面会したいと主張する一方で、婚姻費用を払わなかったり、数千円を渋って審判となる。

 

これでは本末転倒です。

 

DV夫のケースは、離婚は調停から訴訟となり、面接交渉は調停から審判になり、婚姻費用も調停から審判になるという3つの手続きを同時並行にすることになります。夫側も手間も費用も時間もかかるのに、妥協することができないので、調停(話し合い)で終わることができないのです。ちなみに妻側はかなり譲歩をしており、通常であれば話し合いで終わる提案をしております。
当事務所でもこのようなケースをたくさん取り扱っており、離婚訴訟で円満だという主張をしているDV夫と戦っております。
話し合いでは難しいケースについては、法的な手続きを進めることが一番です。夫婦間で話し合いをしても一向に進まない方、特に夫がDVやモラルハラスメントをする場合は長期化することが多いですので、早期にご相談されるようお勧めいたします。

 

早期の相談の方が対応策がたくさんあります。