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後遺症が残った場合

高次脳機能障害について

 

「高次脳機能障害」は、事故によって脳に損傷を受け、その結果、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害等で脳に器質的な障害が生じる症状をさします。
高次脳機能障害の症状は、外見上認識することが難しいため、被害者本人も自覚しづらいという特徴を有しております。そのため正確な診断が遅れてしまい、治療や症状の発見が困難になるという問題があります。
交通事故による高次脳機能障害については、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が平成13年から交通事故被害として認定するシステムを構築しており、自賠責保険により、交通事故によって生じた高次脳機能障害として認定されれば、損害賠償の対象として保険金が支払われることとなっています。

高次脳機能障害の損害賠償請求

 

高次脳機能障害については、以下のように後遺障害等級が認められています。
どの等級に該当するかは、他の後遺症診断と同様医師の診断書等の必要書類を提出し「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)が後遺障害等級認定を行います。
認定された等級に従って、後遺症慰謝料、逸失利益を算定し、損害賠償請求をします。
具体的な損害賠償請求の方法についてはこちら(ご相談の流れ)を参考にしてください。

後遺症慰謝料

 

後遺症が残ったと医師が判断した場合には、医師の診断書等の必要書類を提出し「損害保険料率算出機構」(損保料率機構)が後遺障害等級認定を行います。
後遺障害等級は、程度によって1級から14級まであります。
認定結果に納得がいかない場合に、異議申し立てをすることも出来ます。
後遺症の等級が認定された場合には、以下のとおりの後遺症慰謝料が発生します。

 

『高次脳機能障害の後遺障害等級』 自賠責施行令

 

等級 神経系統の機能または精神の障害
別表
第一
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を必要とするもの
a.食事・入浴・用便・着衣等、生命維持に必要な行動について、常時介護を要する
b.高度の痴ほうがあるため、常時監視を要する
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を必要とするもの
a.食事・入浴・用便・着衣等、生命維持に必要な行動について、随時介護を要する
b.著しい判断力の低下や情動不安定があるため、看視を欠かすことができない
別表
第二
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
a.生命維持に必要な行動はできるが、労務に服すことができない
b.記憶や注意力等に著しい障害があって、一般就労が全くできないか、困難である
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
a.単純繰返し作業等に限定すれば一般就労可能だが、特に軽易な労務しかできない
b.一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には職場の理解と援助を欠かすことができない
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
a.特に軽易な労務等に限定すれば一般就労可能だが、軽易な労務しかできない
b.一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができない
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
a.通常の労務はできるが、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限される
b.一般就労を維持できるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題がある